Letter to the Editor

リンパ腫分類の歴史と現状:
2016-2017年改訂のWHO分類を中心に

中峯 寛和

(日本バプテスト病院中央検査部)

要旨: リンパ腫WHO分類の改訂第4版が先ごろ刊行された。項目数は112に達し,他分野を専門とする病理医には,さらなる複雑化と映ることが危惧される。各病型の分類基盤が「想定される正常対応細胞」か「発生母地」かでは,混乱したままである。B細胞リンパ腫だけでなく成熟T細胞リンパ腫についても,初めて正常対応細胞に基づく項目が分類表に示された。正常対応細胞が多彩なため,リンパ腫形態学的診断は他腫瘍と比べて基本的なところで異なる。これまでの成熟B細胞分類の根底に,日本人研究者の多大な貢献があることを忘れてはならない。

キーワード:WHO classification, lymphoma, normal counterpart, cell of origin, Japanese scientist


History and current status of lymphoma classification, focused primarily on the WHO classification (revised in 2016 and 2017)

Hirokazu Nakamine

Department of Laboratory Medicine, Japan Baptist Hospital

(論文受付 2017年11月28日)

(採用決定 2018年3月8日)