症例報告

LIP，多発結節性肺アミロイドーシスを合併したシェーグレン症候群の1剖検例

小嶋　啓子¹　　　花井　　淳¹　　　比嘉　慎二²

（¹NTT西日本大阪病院病理診断科，²同　アレルギー·リウマチ·膠原病内科）

要旨: シェーグレン症候群（SJS）にリンパ球性間質性肺炎（LIP）と多発結節性肺アミロイドーシスを合併した1剖検例を経験した。65歳女性。約20年前にSJSと診断，亡くなる約4年前に肺病変を指摘，肺高血圧の悪化を認め，ステロイド治療を行うが改善なく，以前より本態性高血圧もあり脳内出血にて死亡した。開頭は行っていない。剖検の主病変は肺のLIPであり，アミロイドーシスも伴っていた。LIPの病態では，SJSの組織像の類似性から肺の自己免疫疾患の可能性が考慮された。さらには肺アミロイド沈着や肺高血圧症についても若干考察を加えた。

キーワード:lung, lymphoid interstitial pneumonia, multiple nodular pulmonary amyloidosis, Sjögren’s syndrome, autopsy case

Autopsied case of Sjögren’s syndrome complicated with lymphocytic interstitial pneumonia and multiple nodular pulmonary amyloidosis

Keiko Kojima¹, Jun Hanai¹, and Shinji Higa²

Departments of ¹Pathology and ²Internal Medicine （Division of Allergy, Rheumatology and Connective Tissue Diseases）, NTT West Osaka Hospital

（論文受付　2016年11月8日）

（採用決定　2017年9月26日）