症例報告

左臀部に生じたMyxoid variant of angiomatoid fibrous histiocytomaの1例

吉本　昌人　　　山元　英崇　　　大塚　　洋
孝橋　賢一　　　山田　裕一　　　小田　義直

（九州大学医学部形態機能病理学）

要旨: 6歳男児。学校検診で血尿を指摘され，近医を受診した。顕微鏡的血尿陽性であり，血液検査ではCRP， IgG， C3の上昇を認めた。体重増加不良，貧血，軟便，腹痛といった症状も出現し，精査のため腹部CT検査が施行された。左臀部の皮下から筋層にかけて約2cm大の腫瘤性病変を認め，当院で摘出術が施行された。組織学的には，短紡錘形細胞が豊富な粘液基質を伴いながら多結節状に増殖し，辺縁にはリンパ球集簇（lymphoid cuff）を認めた。EWSR1-CREB1融合遺伝子が検出され，Myxoid variant of angiomatoid fibrous histiocytoma （以下AFH） の診断を得た。AFHは20歳以下に好発する中間悪性腫瘍であるが，myxoid variantは非常に稀であり，組織学的なバリエーションの認識が重要であると考えられた。

A case report of myxoid variant of angiomatoid fibrous histiocytoma occurred in the left buttock

Masato Yoshimoto, Hidetaka Yamamoto, Hiroshi Ootsuka, Kenichi Kouhashi, Yuuichi Yamada, and Yoshinao Oda

Department of Anatomic Pathology, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University

（論文受付　2017年7月31日）

（採用決定　2017年9月8日）