症例報告

傍糸球体細胞腫の1例

中村恵理子¹　　　山下　　篤¹　　　魏　　峻洸¹　　　前川　和也¹　　　盛口　清香²　　　佐藤勇一郎²　　　北　　俊弘³　　　佐藤　俊介⁴　　　浅田祐士郎¹

（¹宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野，²宮崎大学医学部附属病院病理診断科，³宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御学分野，⁴宮崎大学医学部発達泌尿生殖医学講座泌尿器科学分野）

要旨: 40代，女性。高血圧に対し8年間内服加療されるもコントロール不良であった。精査で血漿レニン活性高値，血漿アルドステロン高値，低カリウム血症と2cm大の腎腫瘤を指摘され，腹腔鏡下左腎部分切除術を施行された。組織学的に，好酸性で円形核を有する細胞がびまん性もしくはシート状に増殖しており，蛇行や硝子化を伴う異常血管を認めた。腫瘍細胞は免疫組織化学にてReninに陽性を示し，傍糸球体細胞腫と診断した。術後血漿レニン活性，カリウム値は正常化し，血圧の低下がみられたが軽度の高血圧は持続した。

A case of juxtaglomerular cell tumor

Eriko Nakamura¹, Atsushi Yamashita¹, Toshihiro Gi¹, Kazunari Maekawa¹, Sayaka Moriguchi², Yuichiro Sato², Toshihiro Kita³, Shunsuke Sato⁴, and Yujiro Asada¹

¹Department of Pathology, ³Circulatory Fluid Regulation Division, Department of Internal Medicine, and ⁴Department of Urology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki
²Department of Diagnostic Pathology, University of Miyazaki Hospital, Faculty of Medicine, University of Miyazaki

（論文受付　2017年3月3日）

（採用決定　2017年5月29日）