症例報告

食道から直腸に至る全消化管に病変を認めたEATLの1例

宮城　佳美　　　仙　英人

（大阪府済生会中津病院病理診断科）

要旨: 食道から直腸に至る全消化管に病変を認めたEnteropathy-associated T-cell lymphoma （EATL）の1例を経験したので報告する。内視鏡所見では食道から直腸までに潰瘍や隆起性病変などの病変を認めた。組織学的には中型の異型細胞が粘膜内から粘膜下層にびまん性に増殖し，腸管上皮内への浸潤もみられた。また，腫瘍周辺の回腸粘膜には絨毛萎縮がみられた。免疫組織化学的にはCD3とCD8が陽性，CD56が陰性，EBER in situ hybridization陰性でありEATLI型が推定された。

キーワード: digestive tract, Enteropathy-associated T-cell lymphoma, malignant lymphoma, histology

A case of EATL, involved entire digestive tract from esophagus to rectum

Yoshimi Miyagi and Hideto Senzaki

Division of Pathology, Osaka Saiseikai Nakatsu Hospital

（論文受付　2016年11月16日）

（採用決定　2017年2月15日）