症例報告

大腿に発生した悪性顆粒細胞腫の1例

首藤　広恵¹　　　西田　陽登²　　　小山　雄三²　　　草場　敬浩²　　　門脇　裕子²　　　荒金　茂樹²　　　駄阿　　勉²　　　岩崎　達也³　　　糸永　一郎³　　　横山　繁生²

（¹大分大学医学部医学科，²同　診断病理学講座，³同　整形外科学講座）

要旨: 80歳女性の大腿に発生した悪性顆粒細胞腫の1例を経験したので報告する。1年前に増大傾向のある大腿皮下腫瘤を自覚し，MRI検査にて軟部腫瘍が疑われた。腫瘍は皮下脂肪組織から大腿二頭筋内に位置し，腫瘍辺縁切除術が施行された。組織学的に好酸性・顆粒状の類円形上皮様ないしは紡錘形細胞から成り，一部にrhabdoid cellもみられた。空胞状の大型核や多数の核分裂像も認められた。免疫染色ではS-100蛋白とCD68が陽性，MIB-1陽性率32.2%であった。以上より悪性顆粒細胞腫と診断した。

キーワード: malignant granular cell tumor, case report, thigh, rhabdoid cell

A case of malignant granular cell tumor of the thigh

Hiroe Shuto¹, Haruto Nishida², Yuzo Oyama², Takahiro Kusaba², Hiroko Kadowaki², Motoki Arakane², Tsutomu Daa², Tatsuya Iwasaki³, Ichiro Itonaga³, and Shigeo Yokoyama²

¹Faculty of Medicine, Departments of ²Diagnostic Pathology and ³Orthopedics, Faculty of Medicine, Oita University

（論文受付　2016年12月10日）

（採用決定　2017年 2月22日）