症例報告

嚢胞状を呈した径3.5cmの胃GIST

二宮 恵子1,2   前田 智治2   中園 裕一2   木藤 克己2   杉田 敦郎2

1愛媛県立中央病院検査部,2同 病理診断部)

要旨: 症例は40代,女性。検診の上部消化管造影検査で胃に粘膜下腫瘍を疑われ受診。胃体上部小弯に嚢胞状の粘膜下腫瘍がみられ,胃局所切除となった。粘膜下腫瘍全体のサイズは3.5cm,大部分が嚢胞成分で占められ,壁の菲薄化した単胞性嚢胞状腫瘍で,菲薄化した壁に紡錘形細胞が変性を伴って増生し,壁にリンパ球の集簇が散見された。免疫染色ではc-kit,DOG1陽性,S100蛋白,Desmin陰性,核分裂像は1∼2個/50HPFでGIST,低リスク群と診断した。

キーワード: stomach, gastrointestinal stromal tumor, cystic, lymphoid cuff


Gastric GIST (3.5cm)with cystic formation:a case report

Keiko Ninomiya1,2, Toshiharu Maeda2, Yuichi Nakazono2, Katsumi Kito2, and Atsuro Sugita2

Departments of 1Clinical Laboratory and 2Pathology, Ehime Prefectural Central Hospital

(論文受付 2016年8月19日)

(採用決定 2016年11月28日)