原　　著

ハンガリーでの病理解剖トレーニングコース─短期集中型の病理解剖学習を経験して─

阿部　浩幸¹　　　渋谷　信介²

（¹東京大学医学部附属病院病理部，²大阪府済生会野江病院病理診断科）

要旨: 近年の剖検率低下による若手病理医の病理解剖経験不足への対策として日本病理学会とハンガリーSemmelweis大学との間で協定が結ばれ，病理解剖トレーニングコースが2014年に開設された。剖検率の高いハンガリーに若手病理医を派遣し1週間集中的に病理解剖を学ぶプログラムである。現地の病理医の熱心な指導の下，1週間に10体（うち1体は見学）の病理解剖を経験し，報告書をまとめる訓練を受ける。短期間に集中して多数の剖検を行うことは日本国内の施設では難しく，本コースは病理解剖を学ぶ上で大変有益と考えられた。

キーワード: Autopsy, Training course, Hungary, Semmelweis University

“Post mortem in Practice” in Hungary─experience of intensive autopsy training course─

Hiroyuki Abe¹ and Shinsuke Shibuya²

¹Department of Pathology, the University of Tokyo Hospital
²Department of Pathology, Saiseikai Noe Hospital, Imperial Gift Foundation Inc.

（論文受付　2016年6月2日）

（採用決定　2016年8月1日）