症例報告

胸部皮膚に発生した類上皮血管内皮腫の1例

荒金　茂樹¹　　　駄阿　　勉¹　　　西田　陽登¹
草場　敬浩¹　　　小山　雄三¹　　　門脇　裕子¹
衛藤　道生²　　　横山　繁生¹

（¹大分大学医学部診断病理学講座，²衛藤外科）

要旨: 30代女性の前胸部皮膚に発生した類上皮血管内皮腫の1例を報告する。2年前に胸部皮膚腫瘤に気付いていたが，増大傾向があるため切除術が施行された。組織学的に，腫瘍は真皮内に存在し，壊死，硝子様ないしは軟骨様組織を伴い，弱好酸性の短紡錘形ないしは類円形の上皮様細胞が孤在性ないしは充実性に増殖していた。上皮様細胞の多くに細胞質内空胞がみられた。腫瘍細胞は血管内皮マーカー陽性で，その特徴的な組織学的所見から類上皮血管内皮腫と診断した。

キーワード: skin, epithelioid hemangioendothelioma, pathology

Epithelioid hemangioendothelioma of the chest skin:a case report

Motoki Arakane¹, Tsutomu Daa¹, Haruto Nishida¹, Takahiro Kusaba¹, Yuzo Oyama¹, Hiroko Kadowaki¹, Michio Etoh², and Shigeo Yokoyama¹

¹Department of Diagnostic Pathology, Faculty of Medicine, Oita University
²Etoh Surgery

（論文受付:2016年1月8日）

（採用決定:2016年4月26日）