症例報告

盲腸にリンパ管筋腫症を生じた結節性硬化症の1例

布村　眞季¹　　　並木　真生¹　　　若田　光男²
高橋　雅哉²　　　蛇澤　　晶3

（¹社会医療法人社団健生会立川相互病院病理診断科，²同　外科，³独立行政法人国立病院機構東京病院臨床検査科）

要旨: リンパ管筋腫症（lymphangioleiomyomatosis:LAM）はリンパ管を介して肺をはじめとした全身の諸臓器に転移しうる腫瘍だが，腸管病変は稀である。今回私たちは盲腸に生じたLAM病変を経験した。術後の検討において，46年前の脳腫瘍に端を発し，肺病変と腎血管筋脂肪腫を合併している経過から，基礎に結節性硬化症が存在していたと考えられたので報告する。

キーワード: cecum, lymphangioleiomyomatosis, tuberous sclerosis complex

Lymphangioleiomyomatosis of the cecum in a female with subclinical tuberous sclerosis:a case report

Maki Nunomura¹, Masao Namiki¹, Mitsuo Wakata², Masaya Takahashi², and Akira Hebisawa3

Departments of ¹Pathology and ²Surgery, Tachikawa Sougo Hospital
³Department of Pathology, NHO Tokyo National Hospital

（論文受付　2015年8月6日）

（採用決定　2015年10月27日）