症例報告

第三脳室脊索腫様膠腫の1例

北薗　育美¹　　　東　美智代¹　　　平木　　翼¹
後藤　優子¹　　　田崎　貴嗣¹　　　義岡　孝子¹
畑中　一仁¹　　　藤尾　信吾²　　　平野　宏文²
有田　和徳²　　　谷本　昭英¹

（¹鹿児島大学学術研究院医歯学域医学系先進治療科学専攻腫瘍学講座病理学分野，²同　脳神経外科分野）

要旨: 第三脳室脊索腫様膠腫の1例を報告する。症例は44歳女性。12年前に無月経，頭痛があり精査。第三脳室内腫瘤性病変を指摘され，生検されたが，炎症所見のみで確定診断には至らなかった。病変の増大を認めたため摘出された。組織学的に，粘液腫状基質や炎症細胞浸潤を伴った上皮様腫瘍細胞の増殖を認めた。免疫組織学的検討では腫瘍細胞はGFAP，Vimentinにびまん性に陽性でCD34に部分的に陽性，EMAに一部が弱陽性を示した。以上の所見から第三脳室脊索腫様膠腫と診断した。

キーワード: third ventricle, chordoid glioma, inflammation, amenorrhea, histology

A case of chordoid glioma of the third ventricle

Ikumi Kitazono¹, Michiyo Higashi¹, Tsubasa Hiraki¹, Yuko Goto¹, Takashi Tasaki¹, Takako Yoshioka¹, Kazuhito Hatanaka¹, Shingo Fujio², Hirofumi Hirano², Kazunori Arita², and Akihide Tanimoto¹

Departments of ¹Pathology and ²Neurosurgery, Division of Oncology, Graduate School of Medical and Dental Sciences, Kagoshima University

（論文受付　2015年5月21日）

（採用決定　2015年8月13日）