症例報告

CD20陽性T細胞性リンパ腫の1例

奥野のり子¹　　　寺畑信太郎¹　　　杉口　　俊¹
又野　禎也²　　　石澤　　伸³

（¹市立砺波総合病院病理診断科，²同　血液内科，³富山県立中央病院病理診断科）

要旨: 症例は84歳男性で，右舌根部を原発巣とする悪性リンパ腫疑いで頸部リンパ節生検が施行された。T細胞性マーカーおよび汎B細胞性マーカーであるCD20が陽性を示し，T, B細胞性リンパ腫の鑑別が問題となった。CD20以外のB細胞性マーカーの陽性所見を得られず，PCR法にてT細胞性受容体遺伝子に再構成を認めたことから，CD20を異常発現したT細胞性腫瘍と考えられた。

キーワード: cervical lymph node, CD20, T-cell lymphoma, tumor of the tongue base, T cell receptor gene rearrangement

A case of CD 20 positive T-cell lymphoma

Noriko Okuno¹, Shintarou Terahata¹, Shun Sugiguchi¹, Sadaya Matano², and Shin Ishizawa³

Departments of ¹Diagnostic Pathology and ²Hematology, Tonami General Hospital
³Department of Diagnostic Pathology, Toyama Preferctural Central Hospital

（論文受付　2015年3月20日）

（採用決定　2015年6月15日）