症例報告

縦隔病変を契機に全身発生をみたHistiocytic sarcomaの小児例

天野　雄介^1,2　　　杉谷　雅彦^1,2　　　伊豆　麻未^1,2
西巻はるな^1,2　　　本間　　琢^1,2　　　鈴木　淳子²
関　　利美²　　　増田しのぶ^1,2　　　根本　則道^1,2

（¹日本大学医学部病態病理学系病理学分野，²日本大学医学部附属板橋病院病理診断科）

要旨: 小児の縦隔に発生したHistiocytic sarcomaの1例を経験したので報告する。患者は4歳男児，感冒様症状が出現したため近医を受診したところ，画像上縦隔の拡大が指摘された。診断目的で臨床的に転移巣と考えられた頭部皮膚の生検が施行された。組織学的には，真皮から皮下組織にかけて結節性病変が認められ，中等大の類円形細胞の増殖から構成されていた。免疫染色ではCD45LCA，CD68，CD163陽性，CD1a，CD3，CD20，CD79a，CD246，MPO，lysozyme陰性であり，HE像と併せ，Histiocytic sarcomaと診断した。

キーワード: mediastinum, histiocytic sarcoma, child

A case of histiocytic sarcoma involving systemic organs in child

Yusuke Amano^1,2, Masahiko Sugitani^1,2, Asami Izu^1,2, Haruna Nishimaki^1,2, Taku Homma^1,2, Atsuko Suzuki², Toshimi Seki², Shinobu Masuda^1,2, and Norimichi Nemoto^1,2

¹Department of Pathology, Nihon University School of Medicine
²Division of Diagnostic Pathology, Nihon University Itabashi Hospital

（論文受付　2015年2月10日）

（採用決定　2015年4月22日）