症例報告

診断に苦慮した乳輪部に発生した巨大尖圭コンジローマの1例

諸橋　聡子¹　　　吉澤　忠司¹　　　平井　秀明¹
羽賀　敏博¹　　　清野　浩子¹　　　呉　　雲燕¹
泉　　美貴²　　　鬼島　　宏¹

（¹弘前大学大学院医学研究科病理生命科学講座，²東京医科大学医学部医学科社会医学部門医学教育分野）

要旨: 尖圭コンジローマは，肛門生殖器に発症する有茎性の軟らかくカリフラワー状の腫瘤である。今回，乳輪部に発症した巨大尖圭コンジローマの1例を経験したので報告する。尖圭コンジローマが乳輪部に発生することは珍しく，その生検組織診断は，大きな病変の場合，表層のみが採取されるため，疣状癌·尋常性疣贅·脂漏性角化症などの皮膚乳頭状増殖性疾患との鑑別が非常に困難である。そこで，皮膚乳頭状増殖疾患の発育伸展形式を念頭に入れた鑑別診断を加えてここに報告する。

キーワード: Areola, Condyloma acuminatum, differential diagnosis

A case of huge condyloma acuminatum in the areola part that was struggling to diagnosis

Satoko Morohashi¹, Tadashi Yoshizawa¹, Hideaki Hirai¹, Toshihiro Haga¹, Hiroko Seino¹, Yunyan Wu¹, Miki Izumi², and Hiroshi Kijima¹

¹Department of Pathology and Bioscience, Hirosaki University Graduates School of Medicine
²Department of Medical Education, Tokyo Medical University

（論文受付　2015年1月13日）

（採用決定　2015年4月10日）子