症例報告

血管肉腫様の形態を示した子宮癌肉腫の骨転移の1例

武田　広子¹　　　鈴木　宏明¹　　　山城　勝重¹
中西　勝也²

（¹北海道がんセンター病理診断科，²JCHO札幌北辰病院病理診断科）

要旨: 症例は70代女性。3ケ月前，子宮体部の癌肉腫で子宮を摘出した。その後，大腿骨近位骨幹に骨転移を来たし，病的骨折となったため，大腿骨摘出が施行された。骨転移部では，大小の不規則な血管腔様構造を示しながら異型細胞が増殖する血管肉腫様の組織像を示したが，免疫組織化学で，AE1/AE3，34βE12，CA125，ER陽性，血管内皮マーカーはCD31，CD34，FactorVIII陰性であった。以上より，血管肉腫様構造を示す癌腫成分の転移で，子宮体部の癌肉腫に由来するものと考えられた。

キーワード: bone, uterus, angiosaroma-like carcinoma, carcinosarcoma, metastasis

A case of angiosarcoma-like bone metastasis derived from uterine carcinosarcoma

Hiroko Takeda¹, Hiroaki Suzuki¹, Katsushige Yamashiro¹, and Katsuya Nakanishi²

¹Division of Pathology, Hokkaido Cancer Center
²Division of Pathology, JCHO Sapporo Hokushin Hospital

（論文受付　2014年12月16日）

（採用決定　2015年4月7日）