総　　説

免疫多重染色とその診断への応用

柳田絵美衣　　　伊藤　智雄

（神戸大学医学部附属病院病理部）

要旨: 一枚の標本，一つの細胞において複数の情報を見出すことが出来る免疫多重染色は，従来から存在する技術である。煩雑な手技と要する時間の長さ，診断学の未確立により敬遠されてきた。しかし近年，新たな試薬や機器の発達により簡便かつ短時間で染色が可能となり技術面での問題は解消されつつある。さらに我々は診断の現場への応用を目的とし，様々な方法を開発してきた。酵素抗体を用いた免疫多重染色について基本法から応用法まで詳細なプロトコールと画像とともに解説する。

キーワード: Multiplex Immunohistochemistry Technique, YANA-4, iCCD

Multiplex immunohistochemistry and its diagnostic utilities

Emmy Yanagita and Tomoo Itoh

Department of Diagnostic Pathology Kobe University Hospital

（論文受付　2014年7月16日）

（採用決定　2014年9月16日）