症例報告

Placental mesenchymal dysplasiaの1例

岩本　雅美¹　　　清川　貴子²

（¹千葉大学大学院医学研究院診断病理学，²同　病態病理学）

要旨: 胎盤間質異形成は，胎盤の大型化と絨毛および血管の形態異常を来たす稀な疾患である。肉眼的異常を示すため病理検体として提出されることがあり，病理医はその存在を認知する必要がある。症例は34歳の女性で，妊娠後期に経腹超音波検査にて多発臍帯嚢胞が疑われ，正常分娩で3,202gの男児を出産した。胎盤は802gと腫大し，胎児面に多数の嚢胞状拡張血管を，胎盤実質に小嚢胞様構造を認めた。組織学的に，血管壁の異常と血栓，幹絨毛の腫大と絨毛内小血管の増生を示す領域を認めた。

キーワード: placenta, placental mesenchymal dysplasia, histology

A case report of placental mesenchymal dysplasia

Masami Iwamoto¹ and Takako Kiyokawa²

Departments of ¹Diagnostic Pathology and ²Molecular Pathology, Chiba University School of Medicine

（論文受付　2014年3月28日）

（採用決定　2014年7月2日）