症例報告

尿管尿路上皮癌plasmacytoid variantの1例

木脇　圭一¹　　　遠藤　祐子¹　　　井下　尚子²　　　石川　雄一¹

（¹公益財団法人がん研究会有明病院病理部，²国家公務員共済組合連合会虎の門病院病理部）

要旨: 症例は62歳男性。左背部痛を主訴に受診，左下部尿管癌を指摘され，術前化学療法，左腎尿管膀胱全摘術が施行された。摘出標本では左下部尿管から一部膀胱壁に進展する多結節状隆起を伴う浸潤性腫瘍を認めた。組織学的には形質細胞様腫瘍細胞が浸潤，増殖していた。通常型尿路上皮癌の上皮内進展も認め，両者の移行像もみられた。免疫組織化学染色ではCD138陽性を示し，形質細胞様型浸潤性尿路上皮癌と判断した。この組織亜型は，微小乳頭型，胞巣型とともに予後不良とされる。

キーワード: urinary bladder, ureteral urothelial carcinoma, plasmacytoid variant

Urothelial carcinoma, plasmacytoid variant of the ureter:a case report

Keiichi Kinowaki¹, Yuko Endo¹, Naoko Inoshita², and Yuichi Ishikawa¹

¹Department of Pathology, Clinicopathology Center, Cancer Institute Hospital, Japanese Foundation for Cancer Research
²Division of Pathology, Toranomon Hospital

（論文受付　2014年1月17日）

（採用決定　2014年3月18日）