症例報告

結腸ポリープ切除検体で指摘されたmyeloid sarcomaの1例

夏山　順子¹　　　前田　尚子¹　　　荒井　隆志²　　　梶本　和義³　　　村尾　眞一¹

（¹甲南病院病理部，²六甲アイランド病院内科，³兵庫県立がんセンター病理診断科）

要旨: 骨髄異形成症候群（以下myelodysplastic syndrome;MDS）で経過観察中に結腸ポリープとして発症したmyeloid sarcomaの症例を経験したので報告する。症例は80代男性。MDS経過観察中に下血を主訴に受診した。下部消化管内視鏡にて上行結腸およびS状結腸にIpポリープを認めたため内視鏡的粘膜切除術（以下endoscopic mucosal resection;EMR）を施行された。組織学的には粘膜表層には楕円形に腫大した核を持つ円柱上皮からなる異型腺管が見られ，管状腺腫と診断した。粘膜固有層間質および粘膜下層には，核胞体比の高い異型細胞が密に増殖する像を認めた。異型細胞はAE1/AE3陰性，CD20陰性，CD79a陰性，CD3陰性を示した。一方，CD68（KP-1）およびmyeloperoxidase（MPO）に強い陽性像を示した。CD34，c-kitは陰性であった。以上の所見からmyeloid sarcomaと診断した。

キーワード: colorectal polyp, myeloid sarcoma, myelodysplastic syndrome

The case of myeloid sarcoma developed as colon polyp

Junko Natsuyama¹, Naoko Maeda¹, Takashi Arai², Kazuyoshi Kajimoto³, and Shinichi Murao¹

¹Department of Clinical Pathology, Konan Hospital
²Department of Internal Medicine, Rokkoisland Hospital
³Department of Clinical Pathology, Hyogo Cancer Center

（論文受付　2013年3月8日）

（採用決定　2014年1月17日）