症例報告

卵巣原発悪性黒色腫の1例

小島　伊織¹　　　堀部　良宗¹　　　今枝　義博²　　　溝口　良順²

（¹社会医療法人宏潤会大同病院病理診断科，²藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院病理部）

要旨: 40代女性で，下腹部腫瘤および体重減少を主訴に受診し，精査の結果左卵巣悪性腫瘍が疑われたため手術が施行された。切除標本は成熟嚢胞奇形腫と充実性の黒色腫瘤からなっていた。メラニン色素沈着を伴う異型性の強い腫瘍細胞の胞巣状·索状増殖がみられ，免疫染色も施行し悪性黒色腫と診断した。皮膚その他に原発巣と考えられる病変がなかったこと，片側性で成熟奇形腫に合併していたことから卵巣原発悪性黒色腫と診断した。

キーワード: ovary, malignant melanoma, primary, mature cystic teratoma

A case of primary malignant melanoma of the ovary

Iori Kojima¹, Yoshimune Horibe¹, Yoshihiro Imaeda², and Yoshikazu Mizoguchi²

¹Department of Pathology, Daido Hospital
²Department of Pathology, Banbuntane Hotokukai Hospital, Fujita Health University, School of Medicine

（論文受付　2013年9月3日）

（採用決定　2013年12月6日）