総　　説

腎腫瘍の診断アプローチ

黒田　直人¹　　　長嶋　洋治²

（¹高知赤十字病院病理診断科部，²横浜市立大学大学院分子病理学部門）

要旨: 腎癌取扱い規約が 2004年度の WHO分類に準拠し，2011年度に改訂された。腎癌分類は従来の細胞学的および組織構築に従う分類に加え，細胞遺伝学的要素も考慮された分類になってきている。その顕著な例として転座型腎細胞癌の出現がある。腎腫瘍の組織分類を日常的に行う診断病理医にとって，その診断手順をよく熟知しておくことは非常に重要である。本稿では腎腫瘍の診断手順について概説する。

キーワード: renal tumors, diagnostic approach

The diagnostic approach of renal tumors

Naoto Kuroda¹ and Yoji Nagashima²

¹Department of Diagnostic Pathology, Kochi Red Cross Hospital
²Department of Molecular Pathology, Yokohama City University Graduate School of Medicine

（論文受付　2013年10月3日）

（採用決定　2013年11月18日）