症例報告

Hermansky-Pudlak症候群の骨髄所見

平岩真一郎¹　　　佐藤　慎吉²　　　福島　涼子¹　　　梶原　　博¹　　　田尻　琢磨³　　　青木　琢也⁴　　　中村　直哉¹

（¹東海大学医学部基盤診療学系病理診断学，²東海大学医学部付属大磯病院病理診断科，³東海大学医学部付属八王子病院病理診断科，⁴東海大学医学部内科診療学系呼吸器内科）

要旨: 症例は51歳男性。呼吸苦を主訴に来院し，臨床的に間質性肺炎と診断された。臨床症状から遺伝子疾患を疑い骨髄穿刺が施行された。光学顕微鏡下にマクロファージに貪食された黄色顆粒を認め，特殊染色および蛍光顕微鏡による黄色自家蛍光にてセロイド·リポフスチンと確認した。また，これまでの文献では電子顕微鏡下の巨核球についての所見が少なかったが，自験例では末梢血の血小板だけでなく，巨核球の濃染顆粒の減少を認めた。本人の希望により遺伝子検査は施行されなかったが， 生下時からの白皮症と骨髄検査の結果からHermansky-Pudlak症候群（HPS）と診断された。

キーワード: bone marrow, Hermansky-Pudlak syndrome, histology, ceroid-lipofuscin

Bone marrow finding of Hermansky-Pudlak syndrome

Shinichiro Hiraiwa¹, Shinkichi Sato², Ryoko Fukushima¹, Hiroshi Kaziwara¹, Takuma Tajiri³,Takuya Aoki⁴, and Naoya Nakamura¹

¹Department of Pathology, Tokai University School of Medicine
²Department of Pathology, Tokai University Oiso Hospital
³Department of Pathology, Tokai University Hachioji Hospital
⁴Department of Internal Medicine, Division of Respiratory Medicine, Tokai University School of Medicine

（論文受付　2013年5月10日）

（採用決定　2013年8月27日）