症例報告

膀胱原発大細胞神経内分泌癌の1例

宮田　　遥　　　柳内　　充　　　辻　　隆裕　　　伊丹　弘恵　　　石井　保志　　　深澤雄一郎

（市立札幌病院病理診断科）

要旨: 膀胱原発の大細胞神経内分泌癌を経験したので報告する。症例は40代の女性。頻尿と発熱を主訴に来院した。生検の後，膀胱摘出術が施行された。好酸性の胞体を有した腫瘍細胞が胞巣を形成し，浸潤増殖する腫瘍で，免疫組織化学，および電子顕微鏡での検索で神経内分泌腫瘍の性格を有しており，大細胞神経内分泌癌と診断した。膀胱大細胞神経内分泌癌は頻度が稀な上に本症例では他の組織型成分も混在しており，留意を要すると考えられた。

キーワード: bladder, large cell neuroendocrine carcinoma, female

Primary large cell neuroendocrine carcinoma of urinary bladder:a case report

Haruka Miyata, Mitsuru Yanai, Takahiro Tsuji, Hiroe Itami, Yasushi Ishii, and Yuichiro Fukasawa

Department of Pathology, Sapporo City General Hospital

（論文受付　2013年5月20日）

（採用決定　2013年8月5日）