症例報告

足底に発生した皮膚·軟部混合性腫瘍の1例

遠藤　祐子¹　　　緒形　真也¹　　　加藤　哲子²　　　柳川　直樹¹　　　田村　　元¹

（¹山形県立中央病院中央検査部病理，²鶴岡市立荘内病院病理科）

要旨: 症例は30代男性。右足底部腫瘤を主訴に当院を受診し，生検で混合腫瘍が疑われたが，原発部位を含め確定診断には至らなかった。診断と治療目的に腫瘍摘出術が施行された。腫瘍は真皮直下から皮下を主座とし，上皮巣，2層性の腺腔，筋上皮細胞，粘液様基質等から成り，種々の皮膚付属器への分化を認めた。皮膚混合腫瘍と軟部混合腫瘍は臨床病理学的に異なるentityに属する腫瘍と考えられているため，本腫瘍の原発部位が問題となったが，皮膚，軟部それぞれの要素を兼ね備えていたことから，皮膚·軟部混合性腫瘍と診断した。

キーワード: mixed tumor, skin, soft tissue, myoepithelial cell, apocrine gland

A case of mixed tumor of the skin and soft tissue that developed in the sole

Yuko Endo¹, Shinya Ogata¹, Noriko Kato², Naoki Yanagawa¹, and Gen Tamura¹

¹Department of Pathology and Laboratory Medicine, Yamagata Prefecture Central Hospital
²Division of Pathology, Tsuruoka Municipal Shonai Hospital

（論文受付　2013年3月26日）

（採用決定　2013年6月18日）