総　　説

非腫瘍性リンパ増殖性疾患

小島　　勝

（獨協医科大学病理（形態））

要旨: 反応性リンパ増殖性疾患は多彩な臨床病理学的所見を呈するが4つの疾患を記載する。すなわち（i） 濾胞性リンパ腫や辺縁帯リンパ腫との鑑別を要する節外病変を含む胚中心進展性異形成，（ii）我が国の多中心性キャッスルマン病の欧米との臨床病理学的相違，（iii）病原体によって病変の分布や膿瘍を形成する細胞が異なる膿瘍形成性肉芽腫性リンパ節炎，（iv） 病理組織所見のみでは時に悪性リンパ腫との鑑別が不可能とさえいえるEpstein-Barr ウイルス関連反応性リンパ増殖疾患の多彩な臨床病理学的所見である。

キーワード: lymph node, progressive transformation of germinal center, multicentric Castleman’s diseasae, abscess forming granulomatous lymphadenitis, Epstein-Barr virus

Non-neoplastic lymphoiproliferative lesion

Masaru Kojima

Department of Anatomic and Diagnostic Pathology, Dokkyo University School of Medicine

（論文受付　2013年5月6日）

（採用決定　2013年7月8日）