総説

膜性増殖性糸球体腎炎と類縁疾患

上田　善彦¹　　　清水　　章²

（¹獨協医科大学越谷病院病理部，²日本医科大学解析人体病理学）

要旨: 膜性増殖性糸球体腎炎（membranoproliferative glomerulonephritis，mesangiocapillary glomerulonephritis:MPGN）は1次性糸球体疾患に分類されているが，病理組織学的には多くの疾患で類似病変を示し，生検診断の中で最も多くの疾患との鑑別が必要な，多くの診断医が苦慮する疾患である。近年，新しい疾患分類が提唱されてきている。本稿では，MPGNの臨床病理学的な特長をまとめ，MPGNの多くの鑑別疾患の要点を概説し，提唱されてきている新しい分類について提示する。

キーワード: kidney biopsy, membranoproliferative glomerulonephritis （MPGN）, mesangial interposition, double contour, C3 nephropathy

Membranoproliferative glomerulonephriris and their differential diagnosis

Yoshihiko Ueda¹ and Akira Shimizu²

¹Department of Pathology, Dokkyo Medical University
²Department of Analytic Human Pathology, Nippon Medical School

（論文受付　2013年3月13日）

（採用決定　2013年4月4日）