症例報告

卵巣純粋型絨毛癌の1例

坂田恵理子^1,2　　　佐藤勇一郎²　　　畠山　金太²　　　丸塚　浩助³　　　肥後　貴史⁴　　　西内　伸輔⁴　　　高橋　典子⁴　　　浅田祐士郎²

（¹宮崎大学医学部附属病院，²宮崎大学医学部病理学構造機能病態学分野，³宮崎大学附属病院病院病理部，⁴古賀総合病院産婦人科）

要旨:18歳女性の卵巣純粋型絨毛癌の1例を報告する。肉眼的に右卵巣腫瘍は10cm大で血腫様であった。組織学的に腫瘍は，多核で合胞体状の巨細胞と単核な細胞で構成され，広汎な出血，壊死を伴っていた。これらの細胞は免疫染色でcytokeratin 7陽性で，合胞体状の巨細胞はhCG陽性を示した。その他の胚細胞腫瘍成分は認めず純粋型絨毛癌と診断した。術後10ケ月経過し，腹腔内および肺転移を認め現在化学療法中である。

キーワード: ovary, choriocarcinoma, pure type

A case of ovarian pure type choriocarcinoma

Eriko Sakata^1,2, Yuichiro Sato², Kinta Hatakeyama², Kousuke Marutsuka³, Takashi Higo⁴, Sinsuke Nishiuchi⁴, Noriko Takahashi⁴, and Yujiro Asada²

¹University of Miyazaki Hospital, Faculty of Medicine, University of Miyazaki
²Department of Pathology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki
³Pathology Division, University of Miyazaki Hospital
⁴Department of Obstetrics and Gynecology, Koga General Hospital

（論文受付　2012年8月6日）

（採用決定　2012年10月9日）