症例報告

良性類上皮型末梢神経鞘腫瘍の1例

盛口　�芻�¹　　　丸塚　浩助¹　　　浅田祐士郎¹　　　前久保理恵²　　　持田　耕介²　　　瀬戸山　充²

（¹宮崎大学医学部附属病院病理部，²宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学教室）

要旨: 診断に苦慮した30代後半男性の右足底踵部腫瘍を報告する。真皮内の分葉状腫瘍で，散在性·索状に増殖する類上皮型細胞と豊富な粘液基質から成り，高度な細胞異型や核分裂像は認めなかった。形態学的には，紡錘形腫瘍細胞を認めなかったが，免疫組織化学では，vimentinとS-100蛋白のみ陽性を示し，神経系由来であることが示唆された。形態像および免疫組織化学の結果より，良性類上皮型末梢神経鞘腫瘍と診断した。

キーワード: heel, benign peripheral nerve sheath tumor, epithelioid

A case of benign epithelioid peripheral nerve sheath tumor

Sayaka Moriguchi-Goto¹, Kousuke Marutsuka¹, Yujiro Asada¹, Rie Maekubo², Kousuke Mochida², and Mitsuru Setoyama²

¹Pathology Division, University of Miyazaki Hospital
²Departments of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Miyazaki

（論文受付　2012年5月14日）

（採用決定　2012年9月7日）