症例報告

会陰部に発生した近位型類上皮肉腫の1例

堀江　直世¹　　　太田　　諒²　　　前川　秀樹¹　　　森　　正樹¹　　　今村　好章¹

（¹福井大学医学部附属病院病理部，²福井赤十字病院病理部）

要旨: 症例は50代男性。会陰部左側皮下の25 mm大の腫瘤性病変に対し，切除生検が施行された。組織的に出血や壊死を伴い多結節性·シート状に増生する腫瘍であり，腫瘍細胞は大型類円形で好酸性胞体を有し，高度の核異型を示した。また，ラブドイド細胞も散在性に認められた。免疫組織化学的にはcytokeratin·EMA·vimentin·CD34およびCA125が陽性で，β-cateninは部分的に陽性，INI1は陰性であった。以上の所見より近位型類上皮肉腫と診断した。

キーワード: proximal-type epithelioid sarcoma, perineal lesion, rhabdoid cell

A case of proximal-type epithelioid sarcoma of the perineal lesion

Naoyo Horie¹, Makoto Ohta², Hideki Maegawa¹, Masaki Mori¹, and Yoshiaki Imamura¹

¹Division of Surgical Pathology, University of Fukui Hospital
²Department of Pathology, Fukui Red Cross Hospital

（論文受付　2012年4月 9日）

（採用決定　2012年6月26日）