症例報告

血管内筋膜炎の1症例

岡崎志帆子¹　　　重松　和人²　　　鳥山　　寛²
中谷　　晃²　　　高原　　耕²　　　大坪まゆみ³
鳥山　　史¹

（¹日本赤十字社長崎原爆病院皮膚科，²同　病理，³同　放射線科）

要旨: 45歳女性の左肘窩に生じた血管内筋膜炎の症例を経験したので報告する。病変は5cm 大の皮下結節であり，静脈との連続性を示していた。組織学的には，病変は血管内腔に沿って認められ，通常の結節性筋膜炎の像と類似して，炎症細胞浸潤を伴う粘液性の基質を背景に，紡錘形細胞が錯綜する像を呈しており，免疫組織化学的には>筋線維芽細胞の特徴を示していた。

キーワード: nodular fasciitis, intravascular fasciitis, myofibroblastic proliferation

A case of intravascular fasciitis

Shihoko Okazaki¹, Kazuto Shigematsu², Kan Toriyama², Akira Nakatani², Osamu Takahara², Mayumi Ohtsubo³, and Fumi Toriyama¹

Departments of ¹Dermatology, ²Pathology, and ³Radiology, Japanese Red-Cross Nagasaki Atomic Bomb Hospital

（論文受付　2011年12月15日）

（採用決定　2012年 3月 6日）