症例報告

ブラ内に発生した肺内孤立性線維腫の1例

末次　亮子¹　　　矢田　直美²　　　加島　健司²
駄阿　　勉²　　　西田　陽登²　　　荒金　茂樹²
田中　康一³　　　河野　洋三³　　　大賀　正俊⁴
横山　繁生²

（¹大分大学医学部医学科，²同　診断病理学講座，³大分県厚生連鶴見病院胸部外科，⁴同　放射線診断科）

要旨: 左肺上葉のブラ内に発生した肺内孤立性線維性腫の1例を報告する。症例は58歳女性で，左上葉の葉間面に基部を有する有茎性ブラが切除された。組織学的には，肺組織が網目状に残存する嚢胞状病変で，残存肺組織内に硝子様膠原線維と紡錘形腫瘍細胞が増殖し，その一部は胸膜と連続していた。patternless パターンなど種々の増殖パターンが混在していたが，悪性と言える所見はなかった。免疫組織化学的に腫瘍細胞はCD34，bcl-2，CD99に陽性であった。以上の所見より肺内孤立性線維性腫瘍と診断した。

キーワード: lung, intrapulmonary solitary fibrous tumor, bulla, immunohistochemistry

A case of intrapulmonary solitary fibrous tumor with bulla

Ryohko Suetsugu¹, Naomi Yada², Kenji Kashima², Tsutomu Daa², Haruto Nishida², Motoki Arakane², Youzou Kawano³, Koichi Tanaka³, Masatoshi Oga⁴, and Shigeo Yokoyama²

¹School of Medicine and ²Department of Diagnostic Pathology, Faculty of Medicine, Oita University
Departments of ³Thoracic Surgery and ⁴Radiology, Oita Kouseiren Tsurumi Hospital

（論文受付　2011年11月4日）

（採用決定　2012年1月11日）