症例報告

好酸性細胞が目立った卵巣類内膜腺癌の1例

石川　典由¹　　　長瀬真実子¹　　　荒木亜寿香¹
天野　知香²　　　原田　祐治³　　　並河　　徹²
丸山理留敬¹

（¹島根大学医学部器官病理学，²同　病態病理学，³島根大学附属病院病理部）

要旨: 卵巣でみられる粘液性腺癌には，卵巣表層上皮由来（内頸部型，腸型）の他に，虫垂や結腸などからの転移性腫瘍としてみられるものもある。今回，我々は粘液性腺癌との鑑別が必要になると考える，好酸性細胞の目立つ類内膜腺癌の症例を経験した。従来粘液性腺癌として捉えられていたものの中に好酸性細胞の目立つ類内膜腺癌が含まれている可能性があるのではないかと推測した。

キーワード: Ovary, Endometrioid adenocarcinoma, Oxyphilic cells, Mucinous adenocarcinoma

A report of ovarian endometrioid adenocarcinoma with prominent oxyphilic cells

Noriyoshi Ishikawa¹, Mamiko Nagase¹, Asuka Araki¹, Chika Amano², Yuji Harada³, Toru Nabika², and Riruke Maruyama¹

Departments of ¹Organ Pathology and ²Functional Pathology, Shimane University School of Medicine
³Laboratory of Surgical Pathology, Shimane University Hospital

（論文受付　2011年6月23日）

（採用決定　2011年11月30日）