総　　説

脳腫瘍取扱い規約第3版:改正点を中心に

中里　洋一

（群馬大学大学院医学系研究科病態病理学分野）

要旨: 2010年7月に脳腫瘍取扱い規約が8年ぶりに改訂された。このたびの改訂の経緯を述べるとともに，今回の第3版の編集基本方針と改定の要点を示した。今回の改定では脳腫瘍WHO分類2007との整合性を取ることを重視した。さらに従来の取扱い規約の編集方針にも配慮し，下垂体腫瘍と嚢胞性病変は分類に残した。また，新規に分類に登録された腫瘍については，「ニューロピルと真正ロゼットに富む胎児性腫瘍（ETANTR）」および異型下垂体腺腫を取り上げその臨床病理学的特徴を解説した。

キーワード: brain, tumor, classification, WHO, 取扱い規約

A commentary on newly revised “General Rules for Clinical and Pathological Studies on Brain Tumors, 3^rd Edition”

Yoichi Nakazato

Department of Human Pathology, Gunma University Graduate School of Medicine

（論文受付　2011年 9月12日）

（採用決定　2011年 9月30日）