症例報告

原発性肺髄膜腫の1例

山本 喜啓1   星野 大葵2   石田 久雄2
塙   健2   桑原 正喜2   賀集 一平1

1草津総合病院病理診断科,2同 外科)

要旨: 肺原発の髄膜腫を経験したので報告する。患者は60代前半の男性で,検診にて右肺中葉に結節陰影を指摘され,当院外科にて右肺中葉切除術を施行された。組織学的には多角形∼紡錘形細胞が充実性,束状に増生し,部分的に分葉状を呈していた。核は卵円形∼紡錘形,細胞質は好酸性で細胞境界は不明瞭であった。腫瘍胞巣内には渦巻き状の配列が散見され,髄膜腫と診断した。患者に髄膜腫の既往は無く,術後施行された頭部·脊椎部MRIで結節性病変を認めなかったため,肺原発の髄膜腫と考えた。

キーワード: lung, primary pulmonary meningioma


A case of primary pulmonary meningioma

Yoshihiro Yamamoto1, Taiki Hoshino2, Hisao Ishida2, Takeshi Hanawa2, Masayoshi Kuwahara2, and Ippei Kashuu1

Departments of 1Diagnostic Pathology and 2Surgery, Kusatsu General Hospital

(論文受付 2011年 6月 3日)

(採用決定 2011年 7月27日)