症例報告

ラブドイド形質を伴う肺大細胞癌の1例

佐藤勇一郎¹　　　白尾　一定²　　　花牟禮登美雄³
畠山　金太¹　　　浅田祐士郎¹　　　丸塚　浩助⁴

（¹宮崎大学医学部病理学構造機能病態学分野，²社会保険宮崎江南病院外科，³同　検査部，⁴宮崎大学附属病院病院病理部）

要旨: 70代男性の肺に発生したラブドイド形質を伴う大細胞癌の1例を報告する。腫瘍は肉眼的にやや胸膜側に位置する6.0cm大，充実性で，組織学的には，腫瘍細胞は偏在する大型の核を有し，好酸性細胞質内に封入体様構造物が認められた。免疫組織化学染色ではCytokeratin， Vimentinが強陽性であり，ラブドイド形質を伴う大細胞癌と診断した。肺のラブドイド形質を伴う大細胞癌は，稀な肺大細胞癌の特殊型であり，予後不良であるとされている。本例は術後4ケ月で死亡し，これまでの本邦からの報告と同様に進行が早かった。

キーワード: lung, large cell carcinoma, rhabdoid

A case of large cell carcinoma of the lung with rhabdoid phenotype

Yuichiro Sato¹, Kazusada Shirao², Fumio Hanamure³, Kinta Hatakeyama¹, Yujiro Asada¹, and Kousuke Marutsuka⁴

¹Department of Pathology, University of Miyazaki
Departments of ²Surgerya and ³Clinical laboratory, Social Insurance Miyazaki Kohnan Hospital
⁴Pathology Division, University of Miyazaki Hospital

（論文受付　2011年 2月16日）

（採用決定　2011年 5月11日）