症例報告

Cellular neurothekeomaの1例

青木　直子¹　　　小林　博也¹　　　佐藤　啓介¹
藤井　　暁²　　　飛澤　慎一³　　　立野　正敏¹

(¹旭川医科大学病理学講座免疫病理分野，²北見赤十字病院形成外科，³同　皮膚科)

要旨: 症例は30代前半男性。前医にて皮膚転移性腺癌と診断された右頬部の8×7 mm大の淡紅色調を呈する結節性病変に対して腫瘍摘出術が施行された。病変は真皮主体に存在し，明らかな被膜は認められなかった。病理組織学的には真皮内に密な膠原線維で隔壁された腫瘍細胞の微小結節性増生が認められた。腫瘍細胞はやや好酸性の豊富な細胞質を有する類上皮様の細胞で構成され，核異型を伴っていた。核分裂像は認められなかった。免疫組織学的にはvimentin，CD10，αSMA，NSEが陽性でありS-100蛋白は陰性であった。形態および免疫組織化学的所見よりcellular neurothekeomaと診断した。若干の文献的考察を加え報告する。

キーワード: skin, cellular neurothekeoma, immunohistochemistory

A case of cellular neurothekeoma

Naoko Aoki¹, Hiroya Kobayashi¹, Keisuke Sato¹, Satoru Fujii², Shinichi Tobisawa³, and Masatoshi Tateno¹

¹Department of Pathology, Asahikawa Medical College
Departments of ²Plastic and Reconstrutive Surgery and ³Dermatology, Kitami Redcross Hospital

(論文受付 2010年 6月 8日)

(採用決定 2010年10月21日)