症例報告

粘液腫状変化を伴う軟部組織神経周皮腫の1例

青木　良祐　　　秋葉　　純　　　大島　孝一

(久留米大学病理学講座)

要旨: 54歳男性の右臀部に発生した粘液腫状変化を伴う軟部組織神経周皮腫例を経験したため報告する。腫瘍は被膜を伴うゼラチン様で，内部を分画する線維成分がみられた。豊富な粘液腫状の基質を背景に，異型のない紡錐形細胞の疎な束状の増殖が認められ，渦巻状配列が散見された。免疫組織化学染色で腫瘍細胞はepithelial membrane antigenに一部陽性，電子顕微鏡で腫瘍細胞は細長い突起状の細胞質，飲込み小胞様構造，不連続な基底膜を有していた。以上より神経周皮への分化が認められ軟部組織神経周皮腫と診断した。

キーワード: soft tissue, perineurioma, myxoid change

A case of soft tissue perineurioma with myxoid change

Ryosuke Aoki, Jun Akiba, and Koichi Ohsihima

Department of Pathology, School of Medicine, Kurume University, Kurume, Japan

(論文受付 2009年11月10日)

(採用決定 2010年 5月14日)