症例報告

若年成人女性の骨盤腔内に発生した胎児型横紋筋肉腫，紡錘形細胞亜型の1例

計良　淑子　　　菊地　智樹　　　外岡　暁子
荻野　次郎　　　中西　勝也　　　野口　寛子
三橋　智子　　　長谷川　匡

(札幌医科大学附属病院病理部)

要旨: 19歳女性の骨盤腔内から膣壁にかけて発生した胎児型横紋筋肉腫，紡錘形細胞亜型の1例を報告する。骨盤腔内を占拠する白色調充実性腫瘍で，一部は膀胱へ浸潤していた。組織学的には異型紡錘形細胞が束状増殖を示し，横紋筋芽細胞への分化を伴う胎児型横紋筋肉腫，紡錘形細胞亜型であった。腫瘍径20 cm超と巨大な腫瘍であり，術前治療への抵抗性，発症年齢から，幼児・小児期発症例と比較して予後不良と推察された。

キーワード: pelvic cavity, embryonal rhabdomyosarcoma, spindle cell variant, young adult, prognosis

A case report of an embryonal rhabdomyosarcoma, spindle cell variant, of the pelvic cavity in a young adult woman

Yoshiko Keira, Tomoki Kikuchi, Akiko Tonooka, Jiro Ogino, Katsuya Nakanishi, Hiroko Noguchi, Tomoko Mitsuhashi, and Tadashi Hasegawa

Department of Surgical Pathology, Sapporo Medical University Hospital

(論文受付 2009年12月 3日)

(採用決定 2010年 3月 4日)