総 説
Hodgkinリンパ腫(その理解の進歩と病理診断)
田丸 淳一
(埼玉医科大学総合医療センター病理部)
要旨: Hodgkin病の発見から四半世紀が経過し,現在では,その疾患名称をHodgkinリンパ腫と呼ぶようになった。これは科学,医学の進歩に基づくものであることは言うまでもなく,本疾患の腫瘍細胞の遺伝学的解析が進み,その本態が明らかになってきたからである。このような理解は実際の病理組織診断においても活用されてきている。今回はHodgkinリンパ腫の腫瘍細胞の細胞組織学的・遺伝学的特徴を述べ,病理診断業務における実際について解説を加える。また,本疾患における最近の分子生物学的特徴についても触れる。
キーワード: Hodgkin lymphoma, Hodgkin/Reed-Sternberg cell, popcorn cell, diagnosis, review
Advances in understanding and pathological diagnosis of Hodgkin lymphoma
Jun-ichi Tamaru, MD, PhD
Department of Pathology, Saitama Medical Center, Saitama Medical University
(論文受付 2009年 9月 8日)
(採用決定 2009年 9月30日)