症例報告

IgG4関連リンパ節症と考えられた3例

中村　悦子¹　　　豊住　久人²　　　井戸田　愛³
浅田　崇洋³　　　岡本喜一郎³　　　高木　大志³
山下　克也³　　　北村　達彦^4,5　　 林　　佳代⁴

(¹独立行政法人国立病院機構　豊橋医療センター臨床検査科，²同　血液内科，³同　外科，⁴同　皮膚科，⁵名古屋第一赤十字病院皮膚科)

要旨: IgG4関連リンパ節症と考えられる3例を経験したので報告する。3例とも50代後半の男性。症例1は自己免疫性膵炎の患者で，著明な膵所属リンパ節腫大を認めた。症例2は褐色皮疹の精査後多発性表在リンパ節腫脹が出現した。症例3は10年来のリンパ節腫脹の患者。症例2, 3では著明な高IgG血症を認めた。組織学的に症例1, 2はキャッスルマン病様の，症例3は主に形質細胞増多による濾胞間拡大を認めた。全例IgG4陽性形質細胞が300個/HPF以上見られた。後の検索で症例1, 2では血中IgG4上昇が認められた。症例2では皮膚病理所見の検討も行われた。

キーワード: lymph node, skin, IgG4-related lymphadenopathy, Castleman's disease

Three cases of IgG4-related lymphadenopathy

Etsuko Nakamura¹, Hisato Toyozumi², Ai Idota³, Takehiro Asada³, Kiichirou Okamoto³, Taishi Takagi³, Katsuya Yamashita³, Tatsuhiko Kitamura^4,5, and Kayo Hayashi⁴

Divisions of ¹Pathology, ²Hematology, ³Surgery, and ⁴Dermatology, National Hospital Organization Toyohashi Medical Center
⁵Division of Dermatology, Japanese Red Cross Nagoya First Hospital

(論文受付 2009年5月11日)

(採用決定 2009年7月 6日)