症例報告

術後早期再発し急速に進行した子宮腺肉腫の1例

丹羽　秀樹　　　杉口　　俊　　　寺畑信太郎

(市立砺波総合病院病理科)

要旨: 術後早期に再発し，腫瘍死に至った子宮腺肉腫の1例を報告する。症例は53歳の女性で，子宮頸部から突出する腫瘤を鉗子にて摘出された。組織学的に典型的な腺肉腫の像とともに，間質成分のみからなる充実性増殖部が見られ，sarcomatous overgrowthに相当する像と考えられた。両側付属器，子宮切除が追加されたが，5ケ月後に腹腔内再発により死亡した。子宮腺肉腫は低悪性度の腫瘍として知られているが，sarcomatous overgrowthを伴う症例は予後不良であり，留意すべき所見と思われる。

キーワード: uterine adenosarcoma, sarcomatous overgrowth, early recurrence

A case of uterine adenosarcoma with early recurrence and rapid growth

Hideki Niwa, Shun Sugiguchi, and Shintaro Terahata

Department of Pathology, Tonami General Hospital

(論文受付 2008年10月24日)

(採用決定 2009年 3月 2日)