症例報告

腎盂Castleman 病の1例

志賀 淳治1   小泉 和夫2   加藤 正久3
西田 勝則3   本折  健4   森  茂郎5

(1津田沼中央総合病院病理科,2同 泌尿器科,3同 外科,4千葉大学医学部附属病院放射線科,5江東微研病理研究所)

要旨: Castleman病は原因不明の稀なリンパ節の過形成病変であり,腫瘤を形成するために肉眼的には腫瘍と判断され,外科的に手術される。局在としては主として縦隔に見出されるが,その他に頸部,鼠径部のリンパ節や節外性に皮下,軟部組織,後腹膜に見られる。しかし腎臓のCastleman病はきわめて稀であり,今までに9例報告されているにすぎない。今回,51歳男性の腎盂腫瘍が切除されたが,組織的にCastleman 病の混合型と診断した。稀な病態であり,ここに報告する。

キーワード: renal pelvis, Castleman's disease, hyaline vascular type, plasma cell type, mixed type


A case of Castleman's disease of the renal pelvis

Junji Shiga1, Kazuhisa Koizumi2, Masahisa Kato3, Katsunori Nishida3, Ken Motoori4, and Shigeo Mori5

Departments of 1Pathology, 2Urology, and 3Surgery of Tsudanuma Central General Hospital

(論文受付 2009年 1月16日)

(採用決定 2009年 4月 1日)