症例報告

Micronodular thymoma with lymphoid stromaの1例

鬼頭　勇輔^1,2　　　波多野裕一郎²　　　松永　研吾²
廣瀬　善信²　　齊尾　征直¹　　　　松本　真介³
白橋　幸洋³　　岩田　　尚³　　　　高見　　剛¹

(¹岐阜大学大学院医学系研究科免疫病理学分野，²岐阜大学医学部附属病院病理部，
³岐阜大学大学院医学系研究科高度先進外科学分野)

要旨: 症例は59歳女性。健診で前縦隔に径8 mmの結節が偶然発見され経過観察されていたが，4年後に胸腺腫疑いで摘出された。摘出臓器の一部に25×15×12（mm）の充実性白色結節があり，組織学的に上皮の胞巣状増殖と二次リンパ濾胞を伴った小型リンパ球の浸潤よりなっていた。上皮には各種上皮マーカーが陽性で，異型性に乏しくCD117，CD5，TTF-1は陰性で，Ki-67の陽性率は約20%であった。上皮周囲には成熟型のT細胞とB細胞に加え，皮質型胸腺細胞が少数みられた。以上より胸腺腫では比較的稀なmicronodular thymoma with lymphoid stromaと診断した。

キーワード: thymus, MNT, metastasis, IHC

A case of micronodular thymoma with lymphoid stroma

Yusuke Kito^1,2, Yuichirou Hatano², Kengo Matsunaga², Yoshinobu Hirose², Masanao Saio¹, Shinsuke Matsumoto³, Koyo Shirahashi³, Hisashi Iwata³, and Tsuyoshi Takami¹

Departments of ¹Immunopathology and ³General and Cardiothoracic Surgery, Gifu University Graduate School of Medicine
²Pathology Division, Gifu University Hospital

(論文受付 2008年5月23日)

(採用決定 2008年8月14日)