症例報告

子宮および卵巣原発類内膜腺癌術後に癌肉腫の像で転移再発を来した1剖検例

竹川　義則¹　　　本間　　琢²

(¹横須賀市立市民病院病理科，²日本大学医学部病態病理学系病理学分野)

要旨: 57歳，女性。28ケ月前に子宮および卵巣類内膜腺癌で広汎子宮全摘出術，術後化学療法施行。病理学的には子宮癌は漿膜進展や高度な脈管侵襲を示した。初回術後22ケ月に骨盤内再発で再発病変摘出術，化学療法施行。初回術後25ケ月に急速増大を示す後腹膜腫瘤を認め，全身状態悪化し死亡。剖検で後腹膜から腹腔に及ぶ巨大腫瘤を認め，同腫瘤は軟骨肉腫，扁平上皮癌などを含む癌肉腫であった。骨盤内再発病変内に類似した肉腫成分を認めたことから，本例は子宮癌の転移再発巣が癌肉腫に変化し巨大腫瘤形成を来したと考えられた。

キーワード: carcinosarcoma, endometrioid adenocarcinoma, uterus, ovary, recurrence

An autopsy case of uterine and ovarian endometrioid adenocarcinoma recurring as carcinosarcoma

Yoshinori Takekawa¹ and Taku Honma²

¹Department of Pathology, Yokosuka City Hospital
²Department of Pathology, Nihon University School of Medicine

(論文受付 2008年4月 8日)

(採用決定 2008年6月26日)