症例報告

肝に発生した小児血管内皮腫の1例

卜部　省悟¹　　　近藤　能行¹　　　荻田　桂子²
飯田　則利²　　　甲斐　裕樹²　　　加島　健司³
駄阿　　勉³　　　横山　繁生³

(¹大分県立病院臨床検査部病理，²同　小児外科，³大分大学医学部病理学講座第一)

要旨: 生後17日の女児に認められた比較的まれなinfantile hemangioendotheliomaの1例を報告する。血中α-fetoproteinは正常上限を推移し，肝芽腫と鑑別困難であったため外科的切除となった。腫瘍は肝右葉後区域に存在し，単発性であった。割面は輪状で，辺縁は赤色，中心は黄色を呈していた。組織学的には比較的広い間質を有する血管性腫瘍で，拡張した血管や複雑に分枝した血管で構成されていた。腫瘍辺縁には胆管が散見された。

キーワード: liver, infantile hemangioendothelioma, α-fetoprotein

A case of hepatic infantile hemangioendothelioma

Shogo Urabe¹, Yoshiyuki Kondo¹, Keiko Ogita², Noritoshi Handa², Hiroki Kai², Kenji Kashima³, Tsutomu Daa³, and Shigeo Yokoyama³

Departments of ¹Pathology and ²Pediatric Surgery, Oita Prefectural Hospital
³First Department of Pathology, Faculty of medicine, Oita University

(論文受付 2008年2月 8日)

(採用決定 2008年4月14日)