症例報告

類上皮型肝血管筋脂肪腫の1例

大橋 寛嗣   川野  潔

(大阪労災病院臨床病理科)

要旨: 類上皮様の組織像を呈する肝血管筋脂肪腫を経験したので報告する。症例は30代後半の女性で,検診にて腹部エコー上,肝に35 mmの腫瘤陰影がみられ,悪性を否定し得ず,肝部分切除を施行,血管筋脂肪腫と診断した。その組織像は一様に,淡明な胞体を有するepithelioid cellの充実性構造よりなり,HMB-45 陽性であった。肝の腫瘤性病変の組織診断において,鑑別として血管筋脂肪腫を挙げることが肝要で,血管筋脂肪腫を疑った場合は HMB-45 の免疫染色が有用である。

キーワード: liver, angiomyolipoma, epithelioid, PEComa, HMB-45


Epithelioid type of angiomyolipoma of liver

Hiroshi Ohashi and Kiyoshi Kawano

Department of Pathology Osaka Rosai Hospital

(論文受付 2007年 1月19日)

(採用決定 2007年 3月29日)