症例報告

子宮円靱帯に発生した筋脂肪腫の1例

米満　伸久¹　　　丸田　秀夫¹　　　清水　輝久²
國崎　忠臣²　　　菅村　洋治²　　　碇　　秀樹²
梶原　啓司²　　　平尾　幸一³　　　堀上　謙作³
福田　雅敏³

(¹医療法人白十字会佐世保中央病院病理，²同　外科，³同　放射線科)

要旨: 筋脂肪腫は，女性の後腹膜，骨盤腔，腹腔内に好発するまれな腫瘍で，現在まで20数例が報告されている。脂肪組織を多く含み画像上脂肪肉腫などとの鑑別が問題となることが多い。今回，体重減少を指摘され，画像診断で脂肪肉腫の可能性を示唆されたため切除された63歳女性の円靱帯に連続した筋脂肪腫を経験した。本例では成熟した脂肪組織中に，紡錘形あるいは一部上皮様の平滑筋成分が認められるとともに，筋脂肪腫では通常認められない壁の肥厚した血管の増生部分が見られた。

キーワード: round ligament, myolipoma, lipomatous tumor

A case of myolipoma of the round ligament

Nobuhisa Yonemitsu¹, Hideo Maruta¹, Teruhisa Simizu², Tadaomi Kunizaki², Youji Sugamura², Hideki Ikari², Keiji Kajiwara², Kouichi Hirao³, Kensaku Horikami³, and Masatoshi Fukuda³

Departments of ¹Pathology, ²Surgery, and ³Radiology, Sasebo Chuou Hospital

(論文受付 2006年12月 5日)

(採用決定 2007年 3月 8日)