症例報告

足関節部に発生した石灰化腱膜線維腫の1例

堀江　直行¹　　　坂部　智哉¹　　　小西　英一²
柳澤　昭夫²　　　久保　俊一¹

(¹京都府立医科大学大学院医学研究科運動器機能再生外科学（整形外科学教室)，²同　計量診断病理学教室)

要旨: 石灰化腱膜線維腫は小児に好発する比較的まれな軟部腫瘍である。われわれが経験した小児の足関節部から発生した症例は，組織学的に線維芽細胞の増生を認めた。また，石灰化を伴う軟骨組織が散在しており，核分裂像も認めないことから，石灰化腱膜線維腫と診断した。本腫瘍は，切除後も約50%に局所再発を認めるとされており，今後も慎重な経過観察が必要であると考えた。さらに，他疾患との鑑別には，臨床症状や画像所見を含めた総合的な診断が必要であると考えた。

キーワード: ankle, infant, soft tissue tumor, calcifying aponeurotic fibroma, histology

A case of calcifying aponeurotic fibroma arising from the ankle

Naoyuki Horie¹, Tomoya Sakabe¹, Eiichi Konishi², Akio Yanagisawa², and Toshikazu Kubo¹

Departments of ¹Orthopaedics and ²Pathology, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine

(論文受付 2006年 8月30日)

(採用決定 2006年12月 8日)