総　　説

病理診断に役立つ免疫組織化学の新しいマーカー
—— 総論 ——

泉　　美貴

(東京医科大学病理診断学講座)

要旨: 本稿では「総論」と題し，免疫組織化学的検索が，現在どのようにルーチンの病理診断に生かされているかについて，以下の項目について記すこととする。�@ 免疫染色の頻度など，�A 不要な染色と免疫染色のコントロール，�B 未分化癌の診断への利用，�C 原発不明癌の原発巣の同定，�D 腫瘍の良悪性の判断，�E 上皮内癌か浸潤癌かの判断，�F 腫瘍の分類，�G 予後の予測，�H 治療への応用，�I 診断の確認， 病原微生物の同定。

キーワード: immunohistochemistry, antigen, antibody, marker, diagnosis

Currently applicable markers for immunohistochimical diagnosis: Synthesis

Miki Izumi, M.D.

Department of Diagnostic Pathology, Tokyo Medical University

(論文受付 2006年 8月30日)

(採用決定 2007年 1月 9日)