症例報告

骨外性間葉型軟骨肉腫の1例

松山　篤二¹　　　久岡　正典¹　　　青木　隆敏²
横山庫一郎³　　　久保　　学⁴　　　金光　秀一¹
橋本　　洋¹

(¹産業医科大学医学部第1病理，²同　放射線科，
³国立病院機構小倉病院整形外科，⁴門司労災病院整形外科)

要旨: 20歳男性の左大腿深部に発生した骨外性間葉型軟骨肉腫の1例を報告する。組織学的には，小型類円形ないし短紡錘形腫瘍細胞が血管周皮腫様パターンを伴って密に増殖しており，島状の硝子軟骨の形成を認めた。中央部には骨化を伴う軟骨形成および瘢痕化した線維化巣が認められた。免疫染色では腫瘍細胞はCD99陽性，サイトケラチン陰性で，腫瘍細胞間には網目状の2型コラーゲン陽性像を認めた。パラフィン包埋腫瘍組織を用いたRT-PCR法にて，滑膜肉腫ならびにユーイング肉腫に特異的な融合遺伝子転写産物は検出されなかった。

キーワード: mesenchymal chondrosarcoma, extraskeletal, EWS-FLI1, RT-PCR, Ewing sarcoma

A case of extraskeletal mesenchymal chondrosarcoma

Atsuji Matsuyama¹, Masanori Hisaoka¹, Takatoshi Aoki², Koichiro Yokoyama³, Manabu Kubo⁴, Shuichi Kanemitsu¹, and Hiroshi Hashimoto¹

Departments of ¹Pathology and Oncology and ²Radiology, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health

(論文受付 2006年 5月26日)

(採用決定 2006年 8月11日)